クリスマス・ハネムーン【ML】

 身の危険を感じて?

 いや、暗にハニーに抱かれたろう? と指摘されて、動揺し。

 ジョナサンを低く威嚇する自分の声が。

 我ながら、怒った野良猫みたいだと思ったが。

 カッコつけている余裕がなかった。

 体格差がありすぎる上、相手も警官なら荒事のプロだ。

 所轄によって強さもピンキリだけど、油断が出来ない。

 僕の払った手を掴んだあたりから見て。

 ジョナサンが、そこそこデキるヤツならば。

 関節なんかを掴まれたら、ハニー相手のように、わざと捕まってやるのではなく。

 本当に、身動きが取れなくなる。

 場合によっては、先制攻撃で、殴り倒してやる! と。

 本気で睨みつける僕に、ジョナサンは、あわわわっと手を振った。

「No~~NO!
 違う、違うって!」

 戦闘体勢に入った僕に。

 ジョナサンは大げさに腕を振り回した。

「警察官の制服来て、こんな真っ昼間!
 無理やりYouに、何かするつもりは、無ぇって!
 ……そうじゃなく。
 Youが……何か、困って居るのなら、手をかそうか?
 ……って、聞こうとしたんだ!」

「別に、何も困って無いよっ!」

 怒鳴った僕に、ジョナサンは、意味深に目を細めた。

「本当か?
 立場的にも、体格的にも勝ってる、霧谷博士に、無理やり抱かれて。
 誰にも言えず、こっそり泣いてる……なんて、ことは、無いか?」


 ……は?


 なんだって……!?