クリスマス・ハネムーン【ML】

「……もちろん、俺は。
 相棒と一緒に、Mr.霧谷の護衛に来たんだぜ?
 海洋調査のために沖に出る寸前に合流した俺たちに、Mr.が。
 自分はいいから、Youを守っててくれ、と頼まれた」

「……」

「『妻』ならともかく。
 Youは、タダの付き人だろ?
 当然、護衛対象に入ってなかったんだけど。
 Mr.が『どうしても』とか『Youが眠っている間だけでもいいから』とかって言うし。
 昼には、戻るってことから、俺たちの方も、特別に。
 別行動をとることにしたんだ」

 そうか……

 ハニーが、か……。

 ジョナサンの説明に。

 朝、ハニーに置いて行かれた時から僕に居た不機嫌の虫が。

 完全に居なくなっていた。

 過激な連中に、追いかけられるのは御免だけど。

 やっぱり、僕はハニーに愛されてるって感じたから……嬉しい。

 きっとハニーは。

 イタズラかもしれないってことで、海洋調査を取りやめはせずに。

 でも。

 眠っている僕が、不意打ちに会わないために、警官を残して行ってくれたんだ……!

 一気に機嫌が良くなった僕を見て。

 却って『?』マークが連続して発生したらしいジョナサンが。

 首を傾げながら言った。

「……そう言ったワケだから。
 もし、Youがカジノに入りたいのなら。
 俺が、身元引き受け人、兼、護衛で一緒に付き合ってやるけど、どうする?」

「……げっ!」

 ジョナサンの申し出に、僕は思わず、変な声を出した。

 警官同伴で、カジノなんて!

 ありえない~~

 まるで、組織を裏切る、密告野郎みたいでヤだ。

 本当は、全然違うけど。

 楽しく遊べる雰囲気では、ない。