クリスマス・ハネムーン【ML】

 発音も、僕ら日本人とあまり変わらない。

 ほぼ完ぺきな日本語に驚いて目を見張れば。

 ジョナサン・ボガート、と名乗ったその警官は片目をつむった。

「Familyに、日本人がいて。
 そいつの教えてくれた、ニンジャがvery wonderful~~!
 ニンジャアニメ見るために、日本語を頑張って勉強したんだ」

 ……うぁ。

 こ、こいつは外人のニンジャオタクか……

 僕は、思わずジョナサンをまじまじと見た。

 最近、時々。

 海外紹介物のバラエティで、妙に侍かぶれしているヤツや。

 ピンク色の衣装を着たヤツをニンジャ、と言いはって遊んでいる変なガイジンをテレビで見たけれど。

 コレが、ソレか……

 僕だって、ヒトに自慢できる経歴を持っているわけじゃなし。

 ちゃんと仕事さえすれば、警官が、オタクだろーとなんだろーと構わないけど。

「……それで、忍者好きのお巡りさん。
 このヒトは、何で僕をカジノに入れてくれないんだって?」

 僕が、幾分引き気味に聞けば。

 ジョナサンは、HAHAHAHA~~と。

 アメリカンコミックの主人公みたいに笑って言った。

「ここは、未成年者立ち入り禁止だからだぜ?」

「……は?」

 み、未成年って……!

 最近、さすがに言われなくなり、忘れかけてた言葉に。

 オーストラリアでは、三十才が成年だっけ?

 なんて、僕は、莫迦なことを考えながら、クビを傾げた。

「Heが、Youのことをどう見ても、十代より上には、見えないと言ってる。
 ……正直、俺もそう思うけど、東洋人は、わっかんねぇからなぁ。
 Youは年、いくつだ?
 Pass poatか身分を証明するものは?」