「……僕を一人にしないで?」
「しない。
……絶対に」
後ろから抱きしめていたハニーは、僕を半回転させると。
唇に唇を重ねて誓う。
ハニーには、致命的な病気があり。
それでなくても、年の差が十才もあった。
今回は、しのげても、未来。
確実にやって来る『死』の足音を最初に聞くことになるのはきっと、ハニーで。
僕の願いに即答したハニーの誓いは、とても儚いモノだとは分かっていたけれども。
今、この瞬間だけでも。
ハニーの言葉は。
僕の中では『永遠』であって、ほしかった。
「……長生き、してくれ……」
だんだん接触している時間が長く。
深くまで来る、ハニーのキスの合間につぶやけば。
ハニーは、さみしくなったのか。
それとも、欲情に煽られただけなのか。
潤んだ、切なげな表情のまま、僕にささやき返した。
「私は、ちょっとやそっとでは、死なない。
君が見かけ以上にタフなように。
私だって定期的にきちんと、自分のカラダの手入れさえしておけば。
不摂生な生活をしている、君より長生きできる自信がある。
君が望むだけずっと、生きて。
生き続けて、側にいるから……」
ハニーは出来ないことは絶対に言わない。
だから、僕は、信じる。
何度も、何度も飽きるまで。
ずっと、ずっとこれから先も。
愛の交換をしていけることを………
愛しいハニーと生きていけることを……



