クリスマス・ハネムーン【ML】

「……そうか……
 あの警官か……」

 最初に僕の話を聞いて、すぐの顔色の変化は、痛々しいほどだったけれど。

 ジョナサンの名前を聞いて、少し、落ち着いたみたいだった。

 それでも、ハニーは。

 今までに見たことは、無いほど、うなだれて、僕にささやいた。

「新しい……恋人が出来たから。
 もう、私とは、一緒に居られない……と?」

 確かにジョナサンには、出会って早々に僕に告白をしたあげく。

 昨日、警官隊突入の時も、先陣を切り。

 僕の手を自由にしてくれたのも彼だった。

 けれども、もちろん。

 告白は、すぐ、断ったし。

 助けて貰ったことは、感謝していても。

 それで、ジョナサンになびいてしまうほど。

 僕とハニーの間は、軽くない。

 それでも今は。

 ハニーが、僕を諦めてくれれば、それで良いと。

 違う、と言えずに、僕は、ささやき返した。

「そうだよ。
 それが、僕がハインリヒの所にも、岩井の所にも、戻れない……いや、自分の意志で戻らない、本当の理由だ」

 そう、言い切って、僕は、二人の顔を交互に見た。

「ハインリヒには、心から謝るよ。
 だから、あんたには。
 是非とも、佐藤と一緒に、幸せになって欲しい。
 そして、岩井も。
 僕を狙おうとしても無駄だ。
 これから、あんたのホームグラウンドに居る限り。
 現役の警官が。
 四六時中、僕に張りつくことになるんだから」

 そんな、僕の言葉に。

 岩井は黙り。

 ハニーは、うつむいて、表情を僕に見せないまま、のろのろと言った。

「佐藤のことは、嫌いでは、ない。
 けれども、君と同じようなつき合い方は……考えられない……」

「……ハインリヒ」