僕は、一瞬。
奥歯を噛むと。
大げさに溜め息をついて、二人の間に割って入った。
「……判った……
……判ったよ。
そこまで、ハニーに、覚悟があって。
僕にいつまでも、くっついて来る気なら。
僕も本当のことを言うよ」
「……螢?」
直前まで、自信を持って。
必要とあれば、街一つ、丸ごと全滅させてみせる、と。
宣言していたハニーが。
何を言い出すんだ、と。
急に、不安そうになる。
そんなハニーを見つめて、僕は、苦く笑ってみせた。
「ごめんね、ハニー……いや。
ハインリヒ。
僕、本当は。
君の他に好きな人が出来たんだ。
……だから、もう。
そんな風に。
無理やり、僕について来ちゃ、駄目だよ」
「……なん……!」
僕の言葉に、ハニーは、まともに顔色を変えた。
「一体、いつから……そんな……!?
もし、私が君について裏社会に入るのを止めるためなら、そんなウソ……」
「……悪いけれど、 本当のことだよ」
「信じない!
だって私達は、ずっと、一緒に居て……愛し合っていた……のに。
そんな。
新しい誰かを好きになる隙が、いつ……!」
「ハインリヒが、佐藤と沖に行ったとき。
僕に、護衛代わりに付けてくれた警官。
いた、だろう?」
「……」
「ジョナサン・ボガートって言うんだ。
ハインリヒとは、身長以外真逆なヤツ。
筋肉あるから、ちょっとやそっとじゃ、壊れなさそうな所がいいんだ。
まずは、向こうが、僕に一目惚れしてくれて、ね。
僕も、最初は、そんなに好きじゃなかったけど。
昨日、ボロボロだった僕を助けて貰って以来、僕の方でも、気になっ……て……」



