「うん、雪村が転校してくる前日に健康診断があったんだけどね、一応、何かあった時のために記録に残して置きたいから保健室で受けて来て欲しいの」
「…」
「面倒だけど予定大丈夫?」
聞いて来る先生に、はいと頷くと右から瑠花が左から龍之介くんがチラッと私の持つ紙を覗き込む
「健康診断か~じゃあ、ちーちゃん先生に会えるね」
「ちーちゃん先生?」
誰それ、首を傾げると瑠花が顎に手を当てて唸る
「うーん…ウチの学校の先生の中である意味一番"美!"って感じの先生」
「は?なんだ、それ」
龍之介くんが言うと謙先生も笑う
「確かにそうね、ちーちゃ、じゃなくて、千尋先生って言うんだけど良い先生だから緊張しなくて大丈夫よ」
千尋先生か…瑠花が言うんだから美人なんだろうな
同じ女として、悲しくなるかも
そう思っていると瑠花が私の肩に手をおく
「ねぇ?サラ、私も一緒に行こうか?」
1人じゃ、不安でしょ?と言う瑠花に私は首をふる
「大丈夫だよ、先に寮で待ってて」
さすがに、それは瑠花に迷惑だろうし…悪い
「ふふ、瑠花は優しいわね、じゃあ、私は戻るからそれ宜しくね?」
「はい、わかりました」
先生が片手を上げてまたあのスラッとした脚で去ってから私は急いで鞄を肩に担ぐ
「ねぇ、サラ…本当に1人で大丈夫なの?」
「え?」
「いや、だって」
「大丈夫だよ!女同士なんだし?終わらせて早く帰るから」
私はそう言うなり瑠花と少しだけ龍之介くんに手を振り急いで保健室に向かった
「おい、瑠花。いいのか?なんかアイツ勘違いしてるぞ」
「………んー」
そんな二人の会話を私は知らなかった
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