「サラ…」
「っ」
何を先生に言えばいいか分からない
何かを言いたいのに、涙を流す先生を前にしたら何も言えなくて…
ただ、目の前にいる先生がどこかに行かないように抱き締めるしか出来ない…
「……」
そんな私の背中に先生はそっと手を回す
「…あの日」
「ぇ…」
「ベランダでサラと会った日が、母さんの命日で…俺はどうかなりそうだった」
だけど…そう先生は言葉を続ける
「先生?って、少し遠慮がちに名前を呼ぶ声や泣きそうだ、なんて腕を抱き締めるサラを俺はいつの間にか抱き締めてた」
「…あ」
そう言われてあの日の事を思い出す
「サラを抱いていると、俺はそれだけで不思議な気分になれた」
「………」
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