「ほら、鉄分でも取っとけ」
差し出されたのは、プルーンの缶ジュース
「あ…ありがとう、ございます」
ジュースを受け取りながら、自分の愚かさに身が小さくなる
私ってば、先生に向かって凄い事を言ってしまった
生意気にもほどがある…
言われてみて、冷静に考えると本当にバカだ
視線を反らして、たどたどしい女がいきなり堂々と話して目線を反らさずに反論したんだ
絶対に、先生の中では変な女になったかもしれない
「…飲まないのか?」
ビクッと身体が反応して慌てて"飲みます"と返して私は缶のプルタブに触れるが…
「………っ」
力が入らない…
反対の手に変えるもの、さっきの事で動揺してるのか上手く開けられない
ど、どうしよう
チラリと先生を見るとそんな私の様子をニコニコしながら見つめている
悔しい、絶対にからかわれてる
「なぁ雪村、開けて欲しいか?」
「………っ」
小さく私が頷くと頬杖をついて"そうか"と先生の口元が緩む
「千尋先生、開けてって目を見て言ったら開けてやろうかな」
「…………なっ」
この先生、意地悪!
生徒にそんな事言わせるなんて…あ、でも瑠花がなんか性格がどうのこうの言ってた気がする
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