先生は蒼い瞳の狼くん





そんなの、可哀想で…なんだか胸が痛い



「私は大丈夫です。怪我も大したことないです。だから女の子の事は内緒にしてください」


私がそう言うと先生の厳しい視線がぶつかる


「それは、同情か?それとも自己犠牲?それがこの問題に対して正しい答えだと思ってるのか?」


「…それは」


確かに、同情って言われれば正解。自己犠牲と言われればそれも正解だ。

だけど…


「先生、正しい事をするのが必ずしも正解だとは私は思いません。正しい事をしなくても得るものは沢山あります」


「…………」


「お願いします。問題にしないで下さい」



痛いほどの視線だけど、負けられない


ここで負けたら、きっと問題になるから


お互いの熱い視線が数秒ぶつかり合い、耐えかねたのか先生がため息をはいて視線を反らす



「………あ」


「お前、そーゆう時は堂々と視線を合わせられるんだな。それに言葉使いもハッキリしてる」



そのまま先生は、近くにある冷蔵庫をあけ何かを取り出す


「分かった。高橋先生には俺から上手く言っておくから心配しなくていい」


そう言って、私の目の前に缶が差し出された




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