先生は蒼い瞳の狼くん






「ありがとう、ございます」



先生の手が離れて、片付ける先生の背中と包帯を交互に見る


なんだろう…異様に綺麗な巻き方だ


保健の先生なんだから、ある意味当たり前か…



「雪村は寮生だよな?」


「あ、はい」


「なら、怪我したこと一応高橋先生に言っておくからな」


「はい…分かりました」


ん?でも、ちょっと待って


「あの、もしかして、怪我した理由も言うんですか?」


「ん?言ったらまずいか?」


そうじゃないけど…


「あの、女の子の事は言わないで下さい…」



私の言葉が以外だったのか、意味が分からないのか頭にハテナを浮かべて私をみる



「きっと、理由を言ったらその女の子が誰なのかって問題になりますよね…?」



龍之介くんをハサミで脅したって事でも大問題だ…



なのに…ただでさえ、龍之介くんにあんな事言われて傷付いて自分が持っていたハサミで振り向いて貰おうと脅したのに…


龍之介くんは振り向いてくれなくて、悲しくて辛くて逃げた時にたまたま私とぶつかって、怪我をしてしまった


脅した事となんの関係のない人を怪我させた


…なんて先生に問われたらきっと、もっと傷付くから…




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