それが、何かなんて私でも分かる
「……っ」
「あまり、そーゆう無意識な事を言うな」
耳元で囁かれるように言われて先生の身体が離れていくけど
私は固まったまま、ピクリとも動けない
「あ、もうこんな時間か…雪村?早く部屋に戻って寝るんだぞ」
そう言って、それ以上何も言わずにベランダから出て行く先生
ただ、残された私は…
力が抜けるようにその場所にしゃがみ込んでしまう
「…っ」
そして、そっと目尻に触れれば先生にキスをされた場所が熱い
リアルな感覚が、頭から離れなくて…どうしたらいいのか分からない…
「…千尋、先生」
私の首に、巻いてあるマフラーから感じる先生の香りがして―…
「…どうしよう」
ドキドキが止まらない―…
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