「渡部は賑やかだから一緒にいて楽しいだろ」
「あ、そう…ですね。フレンドリーとゆうか…」
「そうだな、誰とでも仲良く出来て、あれが渡部の良いところだ」
先生が話しながら身長を計ろうと、手を伸ばすとつい無意識に顔を反対側に向けると"こら"と頭を軽く手の甲で叩かれる
「あっ」
「ちゃんと前を向きなさい」
「す、すみません」
思ってたよりも、距離が近くて…つい…
「たっく…俺に向かって堂々と先生らしくないと言うし顔背けるし…そんな生徒お前だけだぞ」
そんな事を言われても…
何を返したらいいか分からず、黙ったまま正面を見る
「顔背けるなよ」
そして、再び近付いて来た手が身長を計っていく
「そういえば…名前は?」
「え?」
「名前、聞いて無かっただろ?」
あぁ、確かに
言わなかった気がする
「雪村サラ…です」
「…そっか、雪村な」
スラッとした手で計った身長を紙に記入していく
それを呆然と眺めるわたし
あ、少しだけ伸びてる
良かった…


