先生は蒼い瞳の狼くん





まさか、だって保健の先生は女の人だもの


瑠花だって、美人って言ってたし



「えっと…」


つい、詰まってしまう言葉をどう続けようか


なにを言い出そうか、悩んでいると先生は苦笑いをしながらため息をはく


「悪いな、男で、俺がここの先生だ」


「………」




そう良い、少し悲しい表情をする先生に胸が痛くなる


あ、わたしってば勝手に女だと思いこんでた…



そうだよ、考えれば、瑠花は"美って人"とは言ったけど女の人とは言わなかった


それなのに、予めある情報や偏見でこの先生に嫌な思いをさせてしまった


そうだよね、だって保険医が男の人だって可笑しくないもの


私はおもむろに先生に近づき先生に紙を差し出す



「悪いだなんて…そんな事ないです!あの、変な態度取ってすみません」


軽く頭を下げて謝る私を見て先生はクスッと笑いながら紙を受けとる


「なんだ、さっきは変な目で見てたのに、可笑しいヤツだな」



「それはっ」


言い訳をするワケじゃないが、先生と言う立場の人間が堂々と保健室のベッドから出てきたら誰だって驚くに決まってる


知ってる先生ならまだしも、私は初めて見る先生なわけだし…