・・・今に至る。


結局、音羽はしばらくウチに住むことになった。


いつまでいるかはまだ未定だそうだ。


そこらへんは住んでいたアパートの事情があるらしい。


「家族が増えて、賑やかになっていいねっ」


詩織が嬉しそうに言う。


「そうかよ・・・」


俺は温かいコーヒーをすする。


「そうだ、宏、優子」


秋夫さんが続ける。


「はい?」


「・・・何ですか?」


俺と音羽は食事の手を止める。


「お前らも名前で呼び合え」


「えっ?」


「・・・はい?」


俺と音羽は二人で疑問の声をあげる。


「なんでですか?」


「決まっているだろ、家族だからだ。家族はお互いを名前で呼び合う。違うか?」


「いや、訳分かんないんですけど」


「家長の命は絶対であるっ!!いいなっ」


「・・・・・・」


ダメだこりゃ。


秋夫さんがこの台詞を言ったが最後、どんなことでも実現させようとする。