「では、私はこれで」
教会を出ると、茜だけ別の方へ足を向ける。
「ああ」
「うん」
茜は微笑みながら去っていった。
「送ってくよ」
月島さんが言う。
「いいですよ、そんな」
「もう暗いし、女がひとり出歩いていい時間じゃねぇ」
「子供じゃないんですからひとりで帰れますよ」
私がそう言うと、月島さんはフゥ、と息をついた。
「送らせろって。これは俺の主義の問題だ」
「自己中な人ですね・・・」
「ほっとけ」
結局、月島さんに送ってもらうことにする。
ふたり、並んで歩く。
考えてみたら、月島さんと並んで歩く、というのはこれが初めてだ。
教会を出ると、茜だけ別の方へ足を向ける。
「ああ」
「うん」
茜は微笑みながら去っていった。
「送ってくよ」
月島さんが言う。
「いいですよ、そんな」
「もう暗いし、女がひとり出歩いていい時間じゃねぇ」
「子供じゃないんですからひとりで帰れますよ」
私がそう言うと、月島さんはフゥ、と息をついた。
「送らせろって。これは俺の主義の問題だ」
「自己中な人ですね・・・」
「ほっとけ」
結局、月島さんに送ってもらうことにする。
ふたり、並んで歩く。
考えてみたら、月島さんと並んで歩く、というのはこれが初めてだ。


