「そういえば、あんた、初めて会ったときに訊いたよな?」


「はい?」


「なにもかも、変わらずにはいられない。楽しいことも、嬉しいことも・・・すべて、変わらずにはいられない。それでも、この街が好きでいられるかって」


「・・・はい」


「いられるよ、俺は」


「え・・・?」


「たとえ、何もかもが変わってしまっても・・・好きだという気持ちは変わらない。他の全てが変わってしまっても、変わらないものもある・・・あんたの、気持ちのようにな」


「・・・・・・」


新藤の目尻に、涙が浮かんだ。


「月島さん・・・」


「なんだ?」


「ありがとうございます」


「礼を言われるようなことじゃないさ」


「はいっ」


暖かい笑みで、頷く。