永遠の翼

その途中の商店街に、いた。


「新藤」


俺はその名を呼ぶ。


「ああ、月島さん」


微笑みとともに、振り向く。


「・・・・・・」


伝えなければならない。


最後のときが近づいていることを。


でも・・・


伝えなければ、彼女はここにいられるんじゃないだろうか。


そんなことが頭をよぎる。


だが、これは彼女と彼の契約。


俺には、どうしようもない。


・・・何も、できない。


「・・・どうしましたか?」


彼女が、俺の様子を見て尋ねてくる。


「・・・・・・」


「月島さん?」


黙っている俺を見て、覗き込んでくる。


「・・・・・・」


俺は、少し息をついて。


伝えた。


残酷な現実を。