永遠の翼

「・・・・・・」


目覚めたのは、朝。


「はは・・・」


俺はベッドの上で、笑っていた。


永遠の世界。


そこで彼女が経験したこと。


まるでおとぎ話だ。


けど・・・


妙にそれを受け入れている自分がいた。


「なんだよ・・・それ・・・」


新藤は・・・


優子のために生きていたと言うのか。


あいつの幸せのために、自分の望みも捨てたと言うのか。


以前、彼女が墓地で言いかけた名前。


大切なひと。


それはあいつの名前だった。


そんなことって、ない・・・


あんなに仲のいいふたりが・・・


もうすぐ引き離されるなんて・・・


「・・・・・・」


俺は支度をして、部屋を出た。