「彼女が、中学3年生のときです。


ヴァイオリンに没頭した彼女は、ヨーロッパへの留学の話が出るほどのヴァイオリニストになりました。


けど、その矢先に。


彼女は交通事故に遭ったんです・・・


その事故で、利き腕の握力を失いました。


絶望でした。


夢を、目標を。


生きる希望を、一瞬で失ったんです。


元々、音楽以外の楽しみがなかった彼女です。


人生に絶望しました。


永遠なんて、ない。


生きている意味なんて、ない。


そう思った彼女は・・・


コンビニで買ったカッターナイフを持って、雪の降る夜の公園に行きました


彼女は、公園のブランコでうずくまりました。


自分の右手にカッターをあてがって・・・


赤い液体が自分の手首をつたうのを見て・・・


おかしくもないのに、笑いました。


ただ、自虐的に笑っていました。


そのときに現れたのが、黒衣の女性でした。


そのひとは、私にこう言ったんです」