永遠の翼

コンコン。


ノックの音がする。


「宏さん、入っていいですか?」


ドアの向こうから優子の声が聞こえる。


「・・・ああ」


ガチャリとドアが開く。


「何の用だ?」


「雪が綺麗でしたから、教えてあげようと思いまして」


「そうかよ・・・」


気がつくと、外は雪だった。


ポフン、と優子がソファに腰掛ける。


「宏さん、今時間ありますか?」


「あるけど・・・なんだよ急に」


「・・・少し、昔話をしようと思いまして」


真剣な口調で言った。


優子が遠くを見つめる。


その目は、大切なものを懐かしむような・・・


そんな目だった。


その瞳が閉じられる。