永遠の翼

夕食を食べた後、俺はピアノ室にいた。


優子と詩織が一緒に作ったというカレーは美味かった。


まあ、優子は一人暮らしのときは自炊していたと言っていたから、料理がうまいのは当たり前か。


とりあえず食後の気分は最高だった。


昨日、新藤に渡された譜面を見る。


「love song、か・・・」


『この曲を弾いてみてください。今のあなたにピッタリだと思いますから』


彼女がそう言ってこの譜面を渡したのを思い出す。


この曲でどうしろというのか。


俺に愛を唄えと?


「俺は君を愛してるぜ、ベイベー」


ひとり部屋で呟く。


「・・・・・・」


部屋の温度が5度くらい下がった気がする。


「アホなことやってないで、始めるか・・・」


俺はピアノのふたを開ける。


譜面から、だいたいの曲調は分かる。


高めの音の、落ち着いた曲だろう。