永遠の翼

「今から作るけど・・・ヒロちゃんそれでいい?」


「ああ。構わない」


詩織は昔から料理がうまい。


秋夫さんの教育の賜物だ。


いつもは詩織に甘いが、こういうところはきっちりしている。


「優ちゃんは?」


「私もいいよ」


「よし、決まりっ」


そう言って詩織は冷蔵庫へ向かう。


「あ。詩織、私も手伝っていいかな?」


優子が立ち上がる。


「うん、いいよ」


ふたりは奥へと消えていった。


ひとり居間に残された俺はチャンネルを回す。


『みんなのかえうた!続いては、この方です!』


テレビからイケメンアナであるA住アナの声が聞こえる。


この番組のこのコーナーはけっこう好きだ。


『○○市からお越しの、川上秋夫さんです』


『どうも、川上秋夫です!』


ゴホッゴホッ!


俺は驚きのあまりお茶を咳き込む。


(日曜の夜に何やってんだ、あの人は・・・)


つーか、用事ってこれかい。