極道夫婦―18歳の恋戦―【完】

父親の妹だった紅愛ークレアーさん。

叔母さんは、父親から引き継いだこの特攻服を着て、【氷龍】を自らの命と引き換えに守った人。

勇気・正義が詰まったこの特攻服に、兄貴は袖を通す事はなかったけど、私はこれを着て、“総長”して、戦わなきゃイケない日が来たんだ。

私はこの服に、選択を託す事にした。

拓馬の弟を入れるか、入れないべきかを。

特攻服の掛かったハンガーを、クローゼットのドアに引っ掛け、両手を組んで、目を閉じる。

…叔母さん。

貴方なら、どちらの選択を、選びますか―――?