「はい。できた」 「うわぁ!美味しそう!」 「台所、勝手に借りたけど、良かった?」 「うん。ほとんど使わないから、その方が台所も喜ぶよ」 アハハっと力なく笑った。 「お母さん、いねぇの?」 「…今日は泊まり。そーゆう和弥こそ、こんな時間に私の家なんか来ていいの?」 「俺、一人暮らしだから」 「え…そうなんだ」 「何で、悲しそうな顔すんの?」 「だって、一人って寂しいじゃん」 「そうか…?」 一人は、寂しいよ。もっとお母さんと話したい。 一緒にご飯食べたい。 だけど、無理なんだもん。