僕と彼女が出会ってから一週間がたった。

「森山って明るくなったよな!」

そう、クラスの男子に話しかけられることが多くなった。

今ではクラス内に『友達』ができた。

鈴祢。君のおかげだよ。

僕の世界は輝き始めた。

かわり始めたんだ。

僕はその日も昼休みにあの場所に行った。

鈴祢はいた。

雰囲気がいつもと違う。

少し暗い。

「鈴祢?」

「あぁ、森山くんやほー」

力なく笑って手を振ってる。

「どうしたの?」

「私さ、言わなきゃいけないことがあるんだ。」

いやな感じがする。

「私、海外留学することになったの」

「えっ!?いつ!?」

「明日。本当は一週間前から決まってたの。」

一週間前。

僕達が出会ったあの日。

嘘だろ?

鈴祢がいなくなるなんて…

「一年くらいしたら帰れるの。」

「一年も…?」

僕の頭の中は真っ白になった。

「それとね、もう一つ伝えたいことがあるの」

鈴祢は僕にそっと笑い掛けた。

「まだ言う勇気がないから、待っててほしいんだ。一年間。一年後、この場所に来る時まで」

鈴祢はあの可愛らしい笑顔を見せた。