リビングに向かうとコーヒーのいい香りが鼻をくすぐる 「杏」 声のする方に目を向けると冬矢が椅子に座っていた 「お腹空いてる?」 グゥ---- 返事の代わりにあたしのお腹が鳴った 「クスッ」 冬矢に聞かれてしまった…… 「笑わないでよっ!」 「ごめんっ…杏のお腹は素直だなぁと思って」 笑いながら謝っても意味ない気が…… 「朝ごはん食パンしかないけどいい?」 「うん」 テーブルには焼きたての食パンが置いてあった