気持ちを落ち着かせた館長は僕に教えてくれた。
『お前が昨日、喧嘩した相手は空手の上級幹部の人と、最高幹部の人だ。二人は仕事帰りにお墓の草を刈ってたら後ろから襲われてとっさに手に持っていた鎌で腕を切ってやったと言ってたぞ。その後逆上して手の骨を砕かれたとも。お前はそんな事をする奴じゃないと信じとったのに…。なんか事情があったなら今すぐはけ。助けてやるから。』
僕は事情を説明しなかった。
言った所で幹部の奴らにもみ消されて終わると分かっていたからだ。
ただ、一つだけ、
『館長、俺は守るモノがなければ争わない。卑怯な手を使ってまで勝とうとは思わない。』
と、自分の志を告げて荷物をまとめに道場に戻った。
僕が中に戻るとみんな箸を置いて僕を見てきた。
視線を感じながら更衣室に入った。
着替え終わり、荷物をまとめて出て行こうとすると、後輩達が、
『教官っ!』
と、呼び止めた。
館長との会話は全て聞こえていたらしく、Kが、
『お前らしいな。真実を言わずに出て行くのは。でもな、今回はそんな問題じゃないやろ。お前が言わねぇのなら俺が言ってやる。』
『お前が昨日、喧嘩した相手は空手の上級幹部の人と、最高幹部の人だ。二人は仕事帰りにお墓の草を刈ってたら後ろから襲われてとっさに手に持っていた鎌で腕を切ってやったと言ってたぞ。その後逆上して手の骨を砕かれたとも。お前はそんな事をする奴じゃないと信じとったのに…。なんか事情があったなら今すぐはけ。助けてやるから。』
僕は事情を説明しなかった。
言った所で幹部の奴らにもみ消されて終わると分かっていたからだ。
ただ、一つだけ、
『館長、俺は守るモノがなければ争わない。卑怯な手を使ってまで勝とうとは思わない。』
と、自分の志を告げて荷物をまとめに道場に戻った。
僕が中に戻るとみんな箸を置いて僕を見てきた。
視線を感じながら更衣室に入った。
着替え終わり、荷物をまとめて出て行こうとすると、後輩達が、
『教官っ!』
と、呼び止めた。
館長との会話は全て聞こえていたらしく、Kが、
『お前らしいな。真実を言わずに出て行くのは。でもな、今回はそんな問題じゃないやろ。お前が言わねぇのなら俺が言ってやる。』



