川に行く途中、ばぁちゃん家の畑で実の詰まったスイカを2個拝借して行った。

それから目的地に到着すると、突然みんなは唖然としてしまった。

それもそのはず、深い所の水は深緑色をしており、アスファルトの道から草が生い茂る(おいしげる)坂を降りなければならなかった上、反対側は飛び込み台にもなるほどデコボコした崖が10~20メートルの高さまであって、かなりの威圧感を感じさせるのだ。

見た目は気持ち悪い。
しかし、気持ち良さと、邪魔が入らない点ではこの場所が一番良かった。

お手本代わりに僕が降りて、持ってきたスイカを川に投げ込んだ。

浮いてくるはずなのに浮いてこない!
『ドボンッ』と、いい音をたてながら沈んでいってしまった。

みんなはスイカが何処まで沈んだのか気になったらしく、やっと降りてきた。

僕はみんなに、
『スイカ沈んじまったな。まぁ、潜って探そうぜ!』
と、楽しそうに言って空手着の上を脱ぎ捨て、川に飛び込んだ。

一瞬にして暑さが吹っ飛んだ。

それを見てたみんな(男だけ)も僕と同様、上を脱ぎ捨てて飛び込んできた。