―――はぁ、はぁ 随分、走った気がする。 私は、その場に座り込む。 私、どうして恋を置いて逃げちゃったんだろう。 早く、恋を助けてあげないと。 私は、足を一歩踏み出そうとする。 無理、無理。 中条のところに行くなんて、会うなんて、考えるだけでも震えが止まらない。 中条響…もう一生耳にしない名前だと思ってたのに。 事故は、中2の夏に起きた。