「小春、そこら辺に座っていいから」



初めて入る恋の部屋。



――――男の子の部屋だった。



「山崎に聞いたんだろ?俺が男だって」



恋は苦しそうな顔で私に言った。



「う、うん。------でもっ、恋は恋だもの」



「小春、俺はお前が大事だよ」



そう言って、私を優しく抱きしめる恋。



私も恋の背中に手をまわす。



「恋、私好きだよ。恋が男でも女でも好きだよ」



「…小春」



私の名前を愛しそうに呼ぶ、恋を私は唯抱きしめることしかできなかった。