最近、小春の様子が変だ。 「小春」 放課後、小春と2人で帰っている途中。 「な、なに?」 「なに、悩んでるの?」 俺は、声のトーンを少し下げて言った。 小春は何かを考えて悩んでいる。 深く悩んでいる。 ――でも、何を悩んでいるのか分からない。 「っ…」 小春は、顔を真っ赤にさせて額に汗をかきながら言った。 「な、なんにも。な、悩んでないから…あはは」 …無理して笑う小春。 やめろ。 笑うな。 苦しそうな笑顔で…俺を見るな。