「そっか‥‥」

「私だって岡崎君が居なくなるのは嫌だよ‥?
 でもね、美羽の悲しむ姿なんて見たくないんだ‥」

菊池のことホントに想ってんだな‥。
杏子がした事は間違ってないと思う。
多分その答えは誰にも分かんない。

けど1つだけ、

「杏子は最低なんかじゃねーよ」

そっと杏子の涙を拭いてあげた。

「‥宏揆は凄いよね」

「凄くねーよ。
 俺だってお前と似たようなもんだし」

杏子がようやく笑ってくれた。
ありがとうって‥

だって杏子が思ったように
俺も潤と菊池が付き合うのには少し抵抗があった。
あの場から逃げ出したのは杏子と同じで、途中アイツらが付き合うのを止めそうになったからだ。
自分の気持ちをコントロール出来なくなったんだ。

俺は無意識に杏子を抱きしめた。
いや‥抱きしめたくなったんだ。


俺はホントに杏子のことを
守りたいって思ったんだ。


同じ想い、考えを持っている同士。

お互いを支えあって
いくべきなんじゃねーの?

そんな意味で杏子と付き合えて
良かったと思った俺の方が
よっぽど最低だよな。


言い訳になるかもしんねーけど
杏子が居てくれなかったら
潤の幸せを俺が潰していたかもしれない。

杏子にはいろんな意味で
心から感謝してるんだ。


「俺の方こそ‥ありがとな」