妙な緊張感が、体育館に漂う。

みんなが、瀬戸内の声を待っていた。



「瀬戸内…?」

いきなり、あたしの手をつかむ瀬戸内。

「ちょ…」

突然の行動に動揺するあたし。

瀬戸内は全く気にする様子もなく、あたしの腕を強く引いて出口へ歩いていく。



「ちょっと…」

「いいから、来い」

瀬戸内は一度だけ振り返って、体育館の扉を開けた。