体育館の後ろのほうで、ステージを見ている瀬戸内。

止まない『コクれ』コールの中、あたしは彼を見ていた。



あたし、もう行くしかないのか…?

うつむいて、しばらく悩むあたし。



あたしは、もう一度まっすぐ瀬戸内に視線を向ける。



こうなりゃ、やけくそだ…

マイクにすっと手を伸ばして、大きく息を吸った。



「男子寮長、瀬戸内貴斗!」

あたしは、体育館に向かって大声で叫んだ。