『体育館の中心で愛をさけぶ』

みんな、よくこんなことできるよな…

体育館の片隅で、出場者名簿をチェックするあたし。

さすがに、萌もこれには出ないみたいだ。



「美月、大丈夫そう?何か手伝おっか?」

「大丈夫だよ。後はぶっつけ本番だし…萌は、みんなと楽しんでおいで」

「うん。じゃあ、みんなと見てるね」

萌に手を振って、見送るあたし。



「あっ、瀬戸内くん。ちょっといいかな?」

ちょうど体育館に入ってきた瀬戸内に、声をかける萌。

瀬戸内は軽くうなずいて、萌と一緒に体育館を出ていく。

並んで歩く二人の後ろ姿に、なぜかあたしが緊張してしまった。



萌は、今日伝えるつもりなんだろうか…?

二人の姿が見えなくなってから、あたしはステージ袖に移動した。