「瀬戸内くんのこと好きだけど、美月のことも大切なんだ」

あたしは、どんな顔したらいい?

萌の言葉に、胸が苦しくなった。



「だから、美月にはちゃんと言っとかなきゃって思った」

ふっと視線を上げる萌。



「あたしね、瀬戸内くんに伝えようと思う」

そう言って、萌は控えめに微笑む。



「瀬戸内にコクるの…?」

萌が、そんなこと言うなんて思ってなかった。

「うん」

萌は、迷わずうなずく。

あたしは、両手でイスを抱え直した。