余ったポスターとイスを抱えて、一人で歩く。

人気がなくなった学校の廊下は、だいぶ薄暗い。



「美月、大丈夫?」

ワキにはさんだポスターに、きゃしゃな手が伸びる。



「ありがと…
萌も、まだ残ってたの?」

「うん、愛菜の手伝いしてたの。クラス展示の」

「えらいね、萌」

「あたしだけじゃないよ。瀬戸内くんも…」

あいつも残ってたのか…

彩木と仲いいし、ああ見えて意外と責任感あるし…

ふと物思いにふけって、無言になってしまった。

あたしはイス、萌は両手でポスターを抱えて並んで歩く。