「泣いてなんかない」

それだけ言って、唇をかみしめる。

瀬戸内は何も答えない。

あたしたちの間に、沈黙が流れる。



ねぇ、何か言ってよ。

あたしは瀬戸内のこと、全然わかんない。



甘い言葉なんて期待してない。

ただ、あんたの気持ちが知りたいんだ。