♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】

「美月、どうしたの…?」

真剣に名簿を見るあたしを不思議そうに見る萌。

駄目だ…

名前が思い出せない。

一度も聞いてない気もするし。



「いや…男子も多いなと思って」

「うん、女子と同じぐらいだね」

とりあえず、見覚えのある名前はない。

うちの学年は五クラスあるし。

まさかね…

嫌な予感を振り払って、顔を上げる。



「じゃ、行こっか」

昨日のことは忘れて、萌に笑顔を向ける。

あたしたちは、新しいクラス三年A組へ向かった。