「瀬戸内取られそうになって、焦ってるでしょ」

「あんた、何言ってんの…?」

彩木くんを『あんた』呼ばわりしたのは、今回が初めてだ。

優等生ヅラして、要注意危険人物か…?

あたしは、疑いの眼差しを彩木に向けた。



「だんだん素になってきたね」

焦りを隠せないあたしを見下ろす彩木。

「牧村さんの態度見てたらわかるよ。瀬戸内だけ特別なの…」



「いい加減にして!」

あたしは思わず立ち上がった。