「明日も一緒に食べない…?」

明日も、萌は瀬戸内と食べに行くんだろうか。

そんなの、あまり考えたくない。



「いや、いいよ…」

あたしは地面に視線を落とした。

「あたし、一人で大丈夫だし」



「そういうとこ、好きだな」

「えっ…?」

あたしは後ろに振り返った。



「明日、ここで待ってるから」

メガネの奥の瞳が、鋭くあたしをとらえる。

こんな彩木くんを見たのは初めてだ。

あたしはゴクリとツバを飲み込んだ。



「あたしは…来ないよ」

そう言い残して、あたしは出入口へ走った。