「共学って、いろいろ難しいよね」

「ん…?」

「何でもない…」

今のは、あたしの独り言。

彩木くんに同意してほしいわけじゃない。



「俺は共学になってよかったと思ってるよ」

「そっかな…」

複雑な女心は、わかってもらえないらしい。

あたしはジュースを飲み干すと、立ち上がった。



「じゃ、お先に…」

スカートを軽く払って、屋上の出入口へ歩いていくあたし。

「牧村さん」

後ろから呼ぶ声に足を止めた。