『莉子姉、今度の花火大会の日、シフト入れる?若い子らがみんな、休みたがっててさぁ』


一週間くらい前、店長にそう言われた。


土曜日は、いつもなら休みなんだけど。


お金にも困ってないし、働かなくてもいいんだけど。


『しょーがないなぁ…まぁ…いいですよ』


バイトの子たちは、みんな年下。


花火大会とか、行きたい年頃なんだと思う。


だから、しぶしぶ了解した。


24歳のあたしは、ここの店のアルバイトの中で、最年長。


みんなに、『莉子姉』って呼ばれてる。


そう呼ばないのは、紘斗くらい。


『莉子』って呼び捨てにして…18歳のくせに、偉そうなんだ、アイツは。