キミがその気なら、あたしだって腹をくくってやろうじゃないの。

17歳の、あまりにも鮮やかな日々を、あたしで埋めるとキミが言うのだから。

24歳の、世間で言われる適齢期というものを、キミのために見逃してやっても良い。


「俺が勝つから、覚悟しといてよね」


いたずらに笑う空人に対して、あたしはわざと強気な笑みを返す。


「それは、こっちの台詞」


空人は笑った。
眩しくて今は、真っすぐには見られない空人の笑顔。

もしもキミが途中で投げ出したなら、あたしはきっと以前のままのあたしでいる。

もしもキミが宣言通り賭けに勝って、あたしをさらったなら。

あたしも少しは輝けるかもしれない。

そしたら、キミの笑顔に目が眩まずに済むかもね。


キミは、たいしたオトコだよ。

空人。