「彼氏(仮)だけどね。なんか押し切られて納得しちゃったんだよね」

「へえ。なんか凄いね。会ってみたい」


確実に面白がってる由美を、わざとらしくジロリと見遣る。


「ま、奇跡が起きてホントに彼氏になったら紹介するわ」


多分そんな時は来ないだろうけど。
あたしが彼に落ちる気もしないし、彼はすぐに飽きるような気もするから。

そうだよ。

あのくらいの年齢の子なんて、気持ちなんかすぐ変わっちゃう。

きっと彼だって同じ。

それなら、彼が飽きるまでのしばらくの間、一緒に居てみてもいいか。

彼の言う、少しも飾らない言葉は屁理屈のようにも聞こえるけど。

やけに真っ直ぐに放たれるその言葉は、わりと嫌いじゃない。


あたしは彼のメールに「いいよ」と短く返信した。