「佐渡くーん!」
どう答えようかと迷った時、
3年女子の方々が、ずらりと拓海くんのうしろに並んで声をかけてきた。
「これ、あたしのアド。メールしてね」
「あたしもあたしも! ってゆーか佐渡くんのアド教えて~」
「佐渡くんて、ブログやってないのぉ?」
お姉さま方が波のように押し寄せてきて、拓海くんを取り囲んだ。
グッジョブです先輩たち!
もっとぐいぐいやっちゃってください!
逃げるならいましかない。
「じゃ、じゃあ佐渡くん! あたし先帰るね!」
「あ。野宮ちょっと、」
「また明日!」
拓海くんがなにか言いかけたみたいだけど、構わず教室を出た。