次の日の朝。


駅に拓海くんの姿はなかった。



不安になりながらも、大丈夫大丈夫って、自分に言い聞かせながら学校に行ったけど。


教室にも拓海くんの姿はなくて。



朝のSHRがはじまっても、彼は登校してこなかった。




「休みは……佐渡か」




担任が、空いている席を確認してそう言った。



欠席の連絡は入れてなかったみたい。


じゃあまだ、退学するってことも、聞いてないんだよね。



そのことにちょっとだけ安心した。




「ねぇ野宮さあん。なんで拓海来てないか聞いてるぅ?
あ、別に野宮さんと拓海がイイ仲とかは思ってないけどぉ。なんか聞いてるかなーと思って一応ねぇ」




SHRのあと、篠田さんがあたしの席に来てそう聞いてきた。



階段で2人で話してから、ちょっと篠田さんのあたしに対する当たりが弱くなったみたい。