「ハルちゃん。こっち向いて」
「え?」
呼ばれて顔を上げると、
先生の白くてきれいな手が、優しくあたしの髪をすいた。
そこにスッと、なにかが通るのを感じる。
「さっきのティアラのピン。これだけ包まないで、そのままもらったんだ」
「あ……ありがとうございます! えへへ」
なんだか照れるな~と、1人笑っていたら。
ふと顔に影がかかった。
なんだろうと思ったら、すぐ目の前に久木先生の整いすぎたお顔があって……。
チュッ。
驚いて固まっているあたしの頬に、そっと唇が触れた。
「かなりフライングだけど、1番に言わせて。お誕生日おめでとう、ハルちゃん」
ニコニコと、久木先生は笑顔であたしの頭をなでた。
う……
うそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!