「ニブい奴にはお仕置きだな」 拓海くんが、至近距離でニヤリと笑った。 見てしまった、その色っぽい顔を。 ふせられていくまつ毛の長さを。 近づいてくる、唇のつややかさを。 3メートル以内で……。 「ギャ―――――――ッッッ!!!!」 血管の切れる様子が脳内に浮かんだ瞬間、 あたしは乙女にあるまじき絶叫をあげて、渾身の力で拓海くんを突き飛ばしていた。